マヨルカ島の中心街パルマは、地中海の離島とは思えないほど大きな街で、島中を巡るバスはもちろん電車も複数の路線が島内を走っている。ショパンが来た時と同じ寒い冬ながら、街中で至る所にオリーヴの木が植えられているのを見ると、地中海に浮かぶ島である事を再確認させられる。
ショパンもヴァルデモーサへ行く前にこのパルマの街に滞在して、地中海の美しい島に来たと興奮しながら、ビーチへ出かけたり作曲をしたりオペラを聴きに行ったりしたそうだ。その時に作曲されたマズルカは、遠い故郷のポーランドを思うかのような、はたまたこれからマヨルカで経験するつらい思いを予期するかのような、哀愁にみちたハーモニーに溢れている。
パルマの街にあるショパンの銅像。パルマの石畳の街にショパン広場と名付けられた一角があって、そこにショパン来島を記念する銅像が建てられていた。

ショパンとサンドが来た当時からある、パルマの歌劇場Teatre Principal de Palma。観客はショパンとサンドの事を珍しがって、ステージではなくて色白なショパンと男装しているサンドをオペラグラスで覗き込んだらしい。笑

石畳の街にはたくさんのオリーヴの木が植えられていて、中には樹齢200年を超える大木も。ショパンもオリーヴの木陰でくつろいでいたかもしれない。


大通り沿いのお店は歩道に椅子やテーブルを並べていて、これぞヨーロッパっという雰囲気。ショパンもオペラ前にコーヒーでも飲んでたに違いない。

小径に入るとまた独特の雰囲気。坂が多い地形だけれども、石段が造られていて散策しやすい。タクシーも使わずに、ついぶらぶらと歩きたくなる街だった。

マヨルカ島の名物パン、エンサイマーダ。渦巻き状の軽いパンに粉砂糖がかけてある。私が食べた上の写真のものは小さいサイズで、本来は下の写真のようにピザ位の大きさで、マヨルカ島のお土産の定番のようだ。空港でも大きなピザのように売られていた。


日本で1番有名なマヨルカ発のものといえば、靴屋さんの「カンペール」かもしれない。定価自体が日本より安い上に、免税手続き(スペインは消費税21%!)をすると、日本の半額近くになる。

スペインといえば、ハモンセラーノ、ハモンイベリコ等の生ハム。どこのスーパーでも豚の腿ごと売っている。サンドの手記によると、マヨルカ人は豚をとても大切にしていて、マヨルカからバルセロナへ帰る船では、瀕死のショパンよりも豚が優先されたそうだ。

マヨルカ空港にあった空港ピアノ。弾きやすいピアノだなと思ったら、YAMAHAのC1Xでした。こんなところでも日本の楽器が活躍しているのを知って、すごく感激しました。

ショパンがマヨルカで作ったであろう「雨だれ」をうろ覚えながらも現地で最後に弾けてよかった。
次回はマヨルカからバルセロナへ渡り、いよいよショパンの足跡を追う旅も最終回。